マンションに無垢フローリングを施工する方法 直貼り工法と二重床工法

マンションの床リフォーム・リノベーション時に置ける注意点
マンションの床リフォーム・リノベーション時に置ける注意点

マンションに無垢フローリングを施工する際の注意点

マンションはコンクリートの塊ともいわれ、なんだか冷たいイメージがすると言われてきましたが、今や様々な方法や手段を用いて自然素材に囲まれた快適な住空間をリフォーム・リノベーションで実現することもできるようになってまいりました。

自然素材の住宅と言えば、例えば壁や天井には、ビニールの壁紙ではなく漆喰や珪藻土。腰壁には無垢材の羽目板を使ったり。中には竹小舞を下地に編んで土壁を塗りこむことで、各部のエッジを無くし軟らかい住空間に仕上げる方までいらっしゃいます。
もちろん、自然素材の床材といえば、無垢をご採用頂くお施主さまも増えてまいりました。
冷たいイメージが先行してしまうマンションだからこそ、自然素材の無垢床で夏はサラサラ、冬には冷たく感じる事のない生活に憧れを抱くお施主さまがたくさんいらっしゃいます。リノベーションは自由度が高いですが、フローリングだけの貼り換えリフォームとなると床材商品の厚みを気にしたり、床暖房が使える商品なのか?無垢材のフローリングなら自分のペースでワックスがけ等のメンテナンスも可能なのか?等々、例えば床材の商品を選ぶだけでもかなりの時間と労力が必要となります。下の図は、リフォーム、リノベーションを計画中の物件に自然素材の無垢フローリングが採用いただけるかを確認いただけるチャートになります。まずは、無垢材が使える可能性があるのか?無いのかをご検討いただければと思います。

3つの工法から選べる管理規約遮音等級L45対応マンション用無垢フローリング

マンションのリフォーム、リノベーション工事に無垢を採用したいけど、どの無垢の床材が採用できるのか?なかなか分かりづらいと思います。そこで現在の計画を基にチャート方式で無垢が使えるかどうかをご検討いただけます。以下リンクよりお進みください。

マンション遮音等級LL45無垢フローリングチャート
マンション遮音等級LL45無垢フローリングチャート

 

さて、一般的なコンクリートスラブに直貼り工法のマンションリフォーム・リノベーションにおいては、ほとんどの場合各マンション管理組合の管理規約で遮音等級が定められているはずです。二重床構造というものもございますが、それは後ほど説明しここではコンクリートスラブ直貼り工法についてお話いたします。管理規約には、遮音等級LL45やΔLL(Ⅰ)-4以上(ΔLLはデルタエルエルと読みます)の性能を持ち合わせているものを使用することと記載されていることが多いです。遮音等級のL値に関しては、数字が小さくなるほど遮音性能が上がります。管理規約で遮音等級LL40やΔLL(Ⅰ)-5などを求められる場合もございます。

遮音性能を持ち合わせる直貼り合板フロアーは、ほんの数種類の色柄からしか選択することがほとんどです。最近の遮音合板フロアーはコンマ数ミリの突板どころか、プリント合板と言って銘木の木目画像が貼り付けられている銘木調の商品も多く見られます。また、表面に2.3㎜程度の銘木挽き板を貼り付けた複合合板フローリングも見受けられますが、そのほとんどの表面には造膜型塗料で塗装が施されています。これでは銘木のプリント合板フロアでも突き板合板フロアでも銘木挽き板複合合板フローリングでも足が触れている部分はどれとも造膜型の塗装で同じという事になります。造膜型塗料での塗装は、ホコリが付いたりキズ補修が困難だったりしますので無垢材らしさは皆無となるので注意が必要です。
ちなみに当社のマンション用遮音等級LL45対応の挽板直貼り合板フローリングには、無塗装品がございますので含侵型塗料の自然オイルワックスやSSGガラス塗装も塗装できますので無垢材の感覚を足裏で感じていただくことが可能です。また、造膜型のウレタン塗装を施しての出荷も可能です。もちろん床暖房にも対応しております。

では、マンションに無垢の床材を採用する際にはどのような点に注意しなくてはいけないのでしょうか?
ひとつはマンションの床下地構造です。マンションの床下地構造は、大きく分けて以下二種類の工法があります。
・乾式二重床工法
・直貼り工法

乾式二重床工法とは、防振ゴムの着いた支持脚で床パネル(パーティクルボード)を支える床仕上げ構造です。別名、置床システムともいわれます。乾式二重床工法のメリットは、汎用性が高くコンクリートスラブの段差に合わせて施工が可能です。床下に配管スペースがあることから床表面はバリアフリー化しやすい。デメリットとしては、床下の空間で太鼓現象が起きやすく、重量衝撃音(LH)に影響が出やすいのでLHの表記が必要。支持脚がスラブに固定されないと、床パネルの両端が浮きやすい。直貼り工法と比べると施工に専門知識が必要である。乾式二重床の施工には施工技術認定があり、専門の知識や技術を持った技術者が施工を推奨される。床施工に時間が掛かり費用もかさむ。

もう一つ、マンションにおける直貼り工法とは、その名の通りコンクリートスラブ面に直接床材を接着するスラブ直貼り工法です。木質系床材の場合は、裏面にスリットが入り、クッション状の遮音材が貼り付けられていることが多い。メリットとしては、床材が薄いので室内の天井高が高くとれる。施工が容易である。二重床と比べると太鼓現象は心配しなくてよい。また、直貼り工法では重量衝撃音(LH)に悪影響が及ばないのでLH表記が不要。デメリットとしては、一般的な遮音等級L40・ΔLL(Ⅰ)-5やL45・ΔLL(Ⅰ)-4の合板フロアーは、そのクッション性からフカフカして歩行感が良くないと言われている。下地のコンクリートスラブ面が平滑でなく不陸があった場合は、その不陸が仕上げ面に現れる。施工時間は二重床工法と比べるとコンクリートスラブ直貼り工法の方が早い。それほど特殊な技術は必要ないとされており施工時間は短縮される。

乾式二重床もコンクリートスラブ直貼り工法もメリットとデメリットはございます。どちらの場合でもマンションリフォーム・リノベーションの際には各マンションの管理規約に沿って床を改修していただければ問題は起こりません。

ただし、以下の場合は要注意です。
例えば、現状がコンクリートスラブ直貼り工法のマンションに乾式二重床を採用する場合です。
基本的にコンクリートスラブ直貼り工法の物件に乾式二重床を採用することは非常に難しいです。もし、管理規約に遮音性能L45・ΔLL(Ⅰ)-4同等またはそれ以上の遮音性能を要するもの。とあれば注意してください。

お施主様が管理規約で指定されている遮音等級を持ち合わせた新品の遮音直貼り合板フロアーの踏み心地を確認すると、高い確率で「このフカフカ感はどうにかならないものか…」と思うはずです。長年踏み続けられてきた既存の遮音直貼り合板フロアーよりも新品の方がよりフカフカしているので当然のことだと思います。フカフカ感が気になってマンションの床構造について色々と調べていくうちに、“乾式二重床は直貼りのようなフカフカ感は無く、歩行感が良い”というところに行きつきます。そこで、直貼り工法をやめて乾式二重床に工法変更しよう!という事になる場合がります。その場合は、床が高くなるので現状よりは天井が近づくので天井高が低くなり多少の圧迫感があるけれど、配管スペースも取りやすいしバリアフリー化もしやすい。とここまでは「少し費用がかさむだけならまあいいか」のレベルかもしれません。

ただし、注意しなくてはいけない点があります。日本工業規格JIS A 1440に基づいた標準軽量衝撃音の測定方法として、直貼り工法のRCスラブ厚は120~210mm。それに対して乾式二重床のスラブ厚200mmとなっています。
また、乾式二重床の仕様は、コンクリートスラブから床仕上げ高さは120~150mmと定められています。

もし、リフォーム・リノベーションを計画している物件が直貼り工法でスラブ厚が150mmだったとします。そこに乾式二重床を採用するにあたっては以下の問題点があります。
・現状のコンクリートスラブ厚が150mmの物件に対して、コンクリートスラブ厚200mmで計測した乾式二重床では遮音性能が担保できない。
特に重量衝撃音(LH)については躯体そのものの性能が影響すると言われている。乾式二重床は重量衝撃音に影響が出やすい。

・乾式二重床の床仕上げ高さは120~150mmと規定さられてるのに対し、現場では基準高さ以下で施工されると性能が担保され無い。
直貼りの物件に規定通り120~150mmの乾式二重床を採用すると、天井高が低くなるためになるべく高さが低い支持脚を採用する場面をよく見かける。規定高さ以下で施工すると、床衝撃音低減性能はマイナス方向に働く。

乾式二重床の方が施工が困難で工事している感があるので、見ていて高性能な気もしなくも無いですが、一概にそうとは言えません。上記例の条件の場合は、乾式二重床を採用することで2つの要因から床衝撃音低減性能はマイナス方向に働く可能性が非常に高いという事が言えます。
万が一、リフォーム・リノベーション後に階下の方と騒音問題が勃発するとかなり不利な状況になるでしょう。そう簡単にコンクリートスラブ直貼りの物件に乾式二重床が採用できると思わない方が無難だと思います。

マンションの床リフォーム・リノベーション時に置ける注意点
マンションの床リフォーム・リノベーション時に置ける注意点

なかには、コンクリートスラブ厚150mmで床高さを抑えた乾式二重床も存在するのかもしれませんが、コスト面で非常に割高になる事が容易に想像ができます。

しっかりとマンションの管理規約に目を通し、日本産業規格JIS A 1440-1または日本産業規格JIS A 1440-2での計測方法に沿った工法でマンションのリ-フォーム、リノベーションを計画しましょう。マンションの管理規約にも様々あるようで、1階部分は遮音性能が不要な場合と一階でも遮音性能を求められる場合があるので事前にしっかりと管理規約を確認してください。もちろん二階以上は遮音性能がある床材を求められることがほとんどです。二階住居で一階が駐輪場など人の住まいでは無く、音が響いても問題ないように思える場合なども遮音性能は求められることは多いです。いずれにせよ管理組合さんの判断になるかと思います。

 

無垢フローリングショールームゆらぎでは、スラブ直貼り工法でマンション管理規約の遮音等級L45の無垢が使用できる商品をラインナップしております。
遮音等級LL45木魂防音無垢フローリング遮音等級LL45挽き板直貼りフローリング遮音等級LL45無垢フローリング専用防音マットサウンドプルーフ2の3種類をご自身の足で踏んで無垢をご体感頂くことが可能です。マンションの管理規約に沿った遮音等級の無垢フローリングを選びましょう。

 

遮音等級LL45木魂防音無垢フローリング

木魂防音無垢フローリングは、本物の無垢材を使用したフローリングで遮音性能L45・ΔLL(Ⅰ)-4相当のコンクリートスラブに接着剤で直貼りが可能な無垢フローリングです。残念ながら床暖房には対応しない商品ですが、本物の自然素材である無垢材の足ざわりをご体感いただけます。フカフカ感が気になる方には、無垢材のショールームで実際に様々な商品を踏んでクッション性を確かめていただければと思います。
樹種ラインナップは、ブラックチェリーブラックウォールナットシベリアンウォールナットシルキーメープルジャーマンメープルシベリアンバーチ北海道産ナライングリッシュオークヨーロピアンアッシュノーザンラーチアジアンチェスナットビルマチークインドネシアチーククリアンティークアンバーメープルカントリーバーチガルボオーク阿波桧伊予杉どんぐりの全20樹種、175タイプからお選びいただけます。

マンション用遮音等級LL45木魂防音無垢フローリング
マンション用遮音等級LL45木魂防音無垢フローリング

木魂防音無垢フローリング施工画像

マンション遮音等級L45ブラックチェリー木魂防音無垢フローリング施工事例
マンション遮音等級L45ブラックチェリー木魂防音無垢フローリング施工事例
マンション遮音等級L45杉木魂防音無垢フローリング施工事例
マンション遮音等級L45杉木魂防音無垢フローリング施工事例
マンション遮音等級L45シベリアンウォールナット木魂防音無垢フローリング施工事例
マンション遮音等級L45シベリアンウォールナット木魂防音無垢フローリング施工事例

 

遮音等級LL45挽き板合板直貼りフローリング

遮音等級LL45挽き板合板直貼りフローリングは、LL45無垢材スラブ直貼りタイプの木魂防音無垢フローリングでは実現できなかった床暖房にも対応できる商品です。全てが無垢ではございませんが、オイル塗装やSSGガラス塗装が施せますので、限りなく無垢材に近い合板フローリングの商品と言えます。ウレタン塗装にも対応できます。コンクリートスラブに接着剤で直貼りする遮音挽板フローリングです。遮音等級LL45挽板合板直貼りフローリングは、以下の8樹種からお選びいただくことが可能です。ブラックチェリー、ブラックウォールナット、オーク、イタヤカエデ、チーク、パドック、ビーチ、バーチの無垢でのラインナップとなります。東京都江東区新木場のショールームでは、遮音等級LL45挽き板合板直貼りフローリングをご自身の足で様々な商品を踏み比べていただくことが可能です。コンクリートスラブ直貼り合板フローリングでクッションのフカフカ感が気になる方はぜひショールームへご来場ください。

マンション用遮音等級LL45挽板直貼りフローリング
マンション用遮音等級LL45挽板直貼りフローリング

 

遮音等級LL45挽き板合板直貼りフローリングの施工例画像

マンション用遮音等級LL45チーク挽板直貼りフローリング
マンション用遮音等級LL45チーク挽板直貼りフローリング
マンション用遮音等級LL45オーク挽板直貼りフローリング
マンション用遮音等級LL45オーク挽板直貼りフローリング
マンション用遮音等級LL45チーク挽板直貼りフローリング・SSGガラス塗装
マンション用遮音等級LL45チーク挽板直貼りフローリング・SSGガラス塗装

 

管理規約遮音等級LL40,LL45に対応するマンション用無垢フローリングマット「サウンドプルーフ2」

無垢フローリング15mmをマンション用無垢フローリングマット「サウンドプルーフ2」22㎜の上に施工することで、マンションの管理規約である遮音等級LL40、LL45をクリアーすることが可能です。フローリングとマットが別なので、ブラックウォールナット、ブラックチェリー、オークなどたくさんの無垢の床材からお選びいただけます。こちらの遮音マットは床暖房も設置も可能です。遮音制振材に高比重ゴム、心材にパーチクルボード、衝撃吸収材(支持脚)には硬質ウレタンを使用しております。硬質の支持脚なので歩行感もフカフカしません。コンクリートスラブに直接置いていく工法となります。

マンション管理規約遮音等級LL45無垢材フローリング遮音マット
マンション管理規約遮音等級LL45無垢材フローリング遮音マット

 

マンション用無垢材フローリング遮音マット施工例アジアンチェスナット
マンション用無垢材フローリング遮音マット施工例アジアンチェスナット
マンション用無垢フローリング遮音マット施工例シルキーメープル
マンション用無垢フローリング遮音マット施工例シルキーメープル

 

いかがでしたでしょうか?マンションでも自然素材を多用することで暖かい住空間にリフォーム、リノベーションできる可能性がございます。特に、床壁天井など光を大きく反射したり、常に人肌が当たる箇所に自然素材を採用することで日々過ごしやすい住空間になる可能性が高いです。例えば、天井には無垢の羽目板やパネリング、漆喰や珪藻土。壁には、腰壁に無垢の羽目板やパネリング、腰上には漆喰や珪藻土。床材には、もちろん無垢床材をそれぞれご採用いただくのはいかがでしょうか?マンションだからこそ実現できる住空間もあるはずです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)