針葉樹 ヒメコマツ(マツ科)

マツといえば、アカマツ、クロマツを思い浮かべ、ヒメコマツの名前はすぐには出てきません。
同じマツ属でも、アカマツ、クロマツは二葉でヒメコマツは五葉ですから、葉があればすぐに区別できます。

盆栽好きの人ならば、この木の変種であるゴヨウマツの名前はよく知っているでしょう。
ヒメコマツは北海道、本州北中部に分布し、ゴヨウマツは本州中南部から四国、九州、対馬に分布しています。

木材は、アカマツ、クロマツとは異なり、早材から晩材への移行がずっとゆるやかで、年輪もはっきりしません。
心材は淡黄色、辺材は白色で差があります。平均気乾比重は0.45で、ヒノキと同じようなものです。

肌目は精で、加工しやすく、仕上がりもたいへんよいので、鋳物の木型や彫刻の材料に適していますが、
もともとたくさんある木ではないので、最近では使われることが少なくなっています。

ロシアから輸入されるベニマツが材質的にも似ているので、ほとんど同じような用途、特に木型用材にはよく用いられています。
このほか、ピアノの響坂としてエゾマツ、アカエゾマツに匹敵するといわれます。建具、器具、建築(敷居、鴨居)などにも用いられています。

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