ゴールデンウィークに金沢へ行ってきました。
初めての能登半島であり、やっと47都道府県を踏みしめた事になりました。
新幹線で行きましたが、東京からも意外に近い印象を受けました。
石川県では行ってみたい見てみたい場所が盛りだくさん。
輪島塗り
珠洲焼
加賀百万石の前田家
前田利家の槍
などなど初めての土地はわくわくします。
旅程はあまり決めずに能登半島の観光地をドライブする事にしました。
とりあえず朝一は、輪島の朝市へ!
観光地なので当然観光地価格ですね。
お寿司屋さんにお寿司食べてる途中に
隣りのカップルが食い逃げしたらしく店内が慌ただしくなりました。
私も気付きませんでしたが堂々と出て行ったのでしょうね。
朝市近隣で能登ひばファクトリーなるお店を発見。
店員さんに能登ヒバの生育地を訪ねてみると
”石川県健康の森”近隣と教えていただきました。
地図で見ると朝市から近所だったので行ってみることに。
能登ヒバ林はすぐに見つかりました。
葉っぱも樹も特徴があるので見つけやすいです。
菜っ葉の裏側がを見るとM字を描いている。そして樹がねじれ気味。
石川県健康の森総合交流センターには、大きなブランコが設置されています。
100kg超えの私も恐るおそる乗ってみました。 とっても面白かったです。
石川県健康の森の大きなブランコで楽しんで一路南下です。
通りすがりに大きな丸太を発見。
すぐそれとわかる香りが漂います。
この大きな丸太は档(アテ)という樹種だと思われます。
档(アテ)とはなんとなく聞いたことはあったのですが、
神戸屋のねじりん棒パンなみにねじれてるんですね。
档(アテ)という木は、いわゆる能登ヒバです。
私は、ただ単に青森ヒバを能登半島に持って来て植林したものだと思っていました。
しかし、档(アテ)造林の由来には諸説あるようです。
アテ造林の由来は、天然生林などから探穂して造林したという在来説と、
奥州からの渡来説とがある。
渡来説には二つあって、その一つは、元祖アテにまつわる伝説である。
これにも二説あって、その一つは
奥州の藤原秀衡の三男泉三郎忠衡が、
文治5年(1189)に鳳至郡門前町浦上へ釆住したとき、
義経が生前めでていたヒバの苗木2本を持って来たというのと、
泉家19代兵右衛が、祖先の城跡奥州唐沢山をとむらっての帰りに、
ヒバの苗木5本を携えてきたということである。
これが38代当主、泉正孝氏の庭に生育している2本の元祖アテである。
太いものは目回り3.95m、樹齢700年とも400年ともいわれている。
あと一説は、前田5代の藩主綱紀が、
ヒバの苗木移出を禁じていた津軽へ藩士を農民に変装させてヒバ苗を取寄せ、
これを能登各郷に配与したといわれるものである。
いずれにしても藩政時代に声価の高まった輪島漆器の木地や、
金沢の小羽根などの需要増大につれて逐次増殖され、
今日のアテ造林地となったのである。
アテは、ヒノキ科アスナロ属アスナロの変種であるヒノキアスナロ
Tlmiopsis dolabrata(Linn.fil.)Sieb.et Zucc.var.HondaiMakino
の地方名で、能登を中心とした日本海側にその系統の名称が分布している。
能登の気候風土がアテを育てるのに適し「当った」ということで、
漢字の「棺(不当)トウ」をアテと読ませたともいわれている。
伝承によれば、
アテの人工植栽は約300年前から始められたといわれている。
品種は、発根力と材質に重点をおいて選抜あるいは陶汰が行われ、
今日みられるものに固定されたと考えられる。
造林されているアテの品種の主な分布地は、
マアテが輪島市、門前町。
クサアテが穴水町。
エソアテが七尾市江曽町である。
この外、珠洲市、能都町、柳田村の一部には、
エソアテとほぼ同一の良い素性のものがあり、
これを一部ではスズアテとも呼んでいる。
なお、生長が恵いため造林の少ないカナアテは、全域に分布している。
能登のあて より
档(アテ)は、石川県の県木で能登半島には広く造林されているそうです。
档(アテ)にも種類が有りマアテ、クサアテ、カナアテ、エソアテ・スズアテなど
の品種が有ります。
平成5年から木材流通の段階で档(アテ)を「能登ヒバ」と呼ぶことになりました。
档(アテ)の特徴として、独特の強い香りがあります。
独自の成分ヒノキチオールを含んでおり、
耐久性が高く、水質のも耐えるので、
住宅の土台に用いられることが多い木材です。
また、漆器の素地等にも用いられます。
石川県木材利用推進協議会のHPより
マアテ、クサアテ、カナアテ、エソアテ・スズアテは
木材利用する際もそれぞれ特徴が少し異なるようです。
マアテ:
材質は、堅く、湿気に耐える。
削り面は、美麗で光沢があり伸縮が少ない。
反張しないが、ややねじれ気味である。
昔から漆器の膳、盆、重箱、硯等、パネル、卓、薯等の
木地に使用されている。
一般には、建築材、建具材、造作材として算用されている。
樹皮は、ヒワダ(桧皮)としても利用されている。
クサアテ:
材質は、マアテに比べて軟らかく、耐湿性、強度ともにやや弱い。
木理は比較的粗いが、通直完満で節が小さいため、
とくに柱材に賞用されている。
カナアテ:
材質は、地域によって差があるが、比重、強度、耐湿性は比較的大である。
耐久性があるので、土台、床板等に算用されるが、
生長が遅いので造林寸封種としては、あまり用いられていない。
エソアテ・スズアテ:
材は通直、完満であり、断面は正円に近い。
弾力性に富み、ねじれがなくたわんでも折れず復元力が強いので、
エソアテは明治期以前の和帆船、北前船の帆柱に利用されていた。
帆柱の需要は、昭和10年頃まであった。
能登ヒバとして流通に乗った時にここまで分類して販売はしていない
と思いますので、能登ヒバの全体的な特徴としてどうなのかな?
素晴らしい地域だと思いますので、
計画を練ってまたじっくり伺ってみたいと思います。