本州、伊豆七島、四国、九州、沖縄、台湾、朝鮮半島南部、中国などに分布しています。
海岸沿いのところで、太平洋側では岩手県南部、日本海側では育森県南部にまで見られます。
木材
辺材と心材の色の差は認められます。
前者はやや褐色を帯び、後者は紅褐色です。
タブノキはその木材の色によって、より赤いものをベニタブ、淡色のものをシロタブというように区別することがあり、前者のほうが高く評価されています。年輪界は認められます。日本の木材のなかでは珍しく、木理が交錯しています。
また、木理が乱れていることがあり、そのため材面に化粧価値のある杢が出てくることがあります。
肌目は粗です。気乾比重は0.50-0.65(平均値)-0.77で、木材はほぼ中庸な硬さをもっています。
保存性はほぼ中程度です。切削などの加工はとくに難しいことはありません。仕上がりは中程度になります。
用途
器具、家具、建築などに用いられます。
しかし、タブノキの木材は、暖かい地域に蓄積が多いので、それ以外の地域ではよく知られていません。
樹皮が絹織物の染料になります。