無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
UVウレタン、ウレタン塗装の無垢フローリングの場合
当社で扱う無垢フローリングの表面塗料で今のところ1番出荷量が少ないのは、UVウレタンまたはウレタン塗装です。
UVウレタンと聞くと、何となく“紫外線をカットでもしてくれるのだろう?”と良く思われる方もいらっしゃるようですがそれは間違いです。
ただ単にウレタン塗装をUV照射して硬化を早めているだけ、身体によい影響が有るという訳では全くございません。(以下まとめてウレタン塗装にします)
ウレタン塗装は、フローリング表面にコーティング膜を作りフローリングを保護してくれる造膜型塗料の代表的な塗装です。
見た目は、ピカッと眩しく写り、どこまでも凹凸が無く平滑で、まさに「ザ・新品」と言った感じに見て取れます。ウレタン塗装のおかげで自然素材とは思えない不自然な塗装です。
また、傷が付いていない状況ですと水も侵入し難く汚れが付きにくいです。木材が呼吸をし難くなりますので、無塗装品やオイル塗装品よりも寸法安定性も高まっていると思われます。
コーティングされているので木に含まれる空気に触れる事が出来ず、足触りとしてはペタペタするのでほぼ合板フロアー材と変わりはありません。
ウレタン塗装の特性としてフローリング表面のコーティングに静電気が発生するのでホコリもくっつきます。
しかし、どんな床材でも必ず傷が付く住宅部材です。
ウレタン塗装は、一度傷が付いたり塗装が剥がれたりすると、補修で重ね塗りができません。
最低でもその1枚以上を再塗装しなくてはいけません。通常同じお部屋のフローリングなら周囲と同じように細かい傷もついているはずなので1枚だけが綺麗になったとしたら必ずその1枚は目立ちます。
キッチン前など、水廻りには膜が張っているウレタン塗装をお勧めされる方もいらっしゃいますが、ピンポイントで奥様が立ち仕事をする場所です。
どちらかというと水よりもピンポイントで使われるという事に気にしてお選びください。
ちなみに油跳ねは、オイル塗装よりウレタン塗装の方が目立つことも多々あります。
リフォーム直前にお邪魔するとキッチン前だけウレタン塗装の膜が剥がれているのを良く見ます。洗面所なども同様の考えです。
自然とよく人が立つ(使う)場所は、自分たちで手入れができる物を採用するべきだと思います。
ウレタン塗装は、フローリング木地色との相性に良し悪しがあります。
ウレタン塗装の傷は、白い線傷になります。
白系の木地では線傷が目立ちませんが、ブラックウォールナット材などの濃い色と相性はよくはありません。
表面の膜に付く白くて細かい線傷が目立ち、白くぼけた感じになりがちです。
黒い自動車の色が洗車ごとに白くくすんでいくのと同じような感じです。
お掃除モップとフロアワイパーは、ドライもウェットも相性が良いです。
フロアワイパーはウレタン塗装や合板フロアー専用に開発されている物がほとんどなので当たり前です。
しかし、無垢フローリングのオイル塗装や無塗装には不向きです。お掃除モップやフロアワイパーには着塵剤がたっぷり塗布されています。
着塵剤は、その名の通りホコリを吸着してくれる薬品です。
合板床材やウレタン塗装フローリングはその特性から表面には静電気が発生しますのでホコリがこびり付きます。
こびり付いたホコリを吸着するのですが、これを無垢フローリングの無塗装やオイル塗装に使用すると着塵剤が木に染み込みます。
着塵剤が原因で染み込んだ箇所は黒く汚いシミになり、そこにホコリが吸着することになり踏んだり蹴ったりの状況に陥ります。
ウレタン塗装や合板フロアーは、貼った時が一番綺麗で美しい状況です。その後は、傷が付いたり塗装塗膜が剥がれたりで傷んでいくばかりです。
その点、オイル塗装や無塗装(超仕上げに限る)は使い込むと色艶が良くなりますし、傷補修やオイル、ワックス塗布などのメンテナンスもある程度はお施主様でも可能です。
残念ながらウレタン塗装は、メンテナンスや補修が非常にし難い部材です。素人の方が補修することはほぼ無理だと思います。プロの方にお願いしても補修箇所は綺麗には直らない事がほとんどです。
では、なぜ世の中ではウレタン塗装が主流なのでしょうか?
たぶん、以下の様な理由もあるかと思います。
- 最高に綺麗な状態で販売できる。
- 寸法安定性が高く長期大量在庫がしやすい。
- 傷が付かない限り汚れが付きにくい。
どう思われますか?
①②はお施主様が“安心して快適に過ごせる住宅”とはほぼ関係無くどちらかというと業者都合。③については絶対に傷が付く箇所なので考える余地なし。
15年前後で床材を貼り換えたり、住居を度々替えられる方にとってウレタン塗装はピカッとして平滑で眩しく美しいものに映るかもしれません。
しかし、同じ住居で何十年も暮らそうとしているお施主様にとっては、塗装塗膜がフローリングの耐用年数になるようなウレタン塗装の無垢フローリングは不向きかもしれません。
UVウレタン、ウレタン塗装無垢フローリングの掃除と手入れ、メンテナンス手順
- フロアワイパーを使用して埃(ほこり)を取り去ります。
- 家具の裏やフロアワイパー(ドライ)が入り込めなかった箇所は、掃除機を使用してホコリやごみを吸い取りましょう。
- 特に汚れている箇所を見つけたら、硬く絞った雑巾を使用して拭きとってください。
フローリングの隙間に落ちた汚れが気になる方は爪楊枝等で取り除いてください。
紙ヤスリ、サンドペーパー等は使わないように注意してください。
これが原因で表面がくすんでしまう事があります。 - 1~2年毎に定期的に、ウレタン塗装に適したワックスを、乾いた状態で塗布してメンテナンスしてください。水性クリーナーのご使用は避けてください。